中国:輸出用・第3世代設計の国際展開促進企業が正式発足
中国で原子力発電事業の実施資格を持つ中国核工業集団公司(CNNC)と中国広核集団有限公司(CGN)は3月17日、双方の第3世代原子炉設計を統合して開発した「華龍一号」の国際展開促進を目的とする合弁事業体「華龍国際核電技術有限公司(略称:華龍公司)」が正式に発足したと発表した(=写真)。華龍一号は中国が知的財産権を保有する第3世代の独自ブランド設計という位置付けで、福建省福清と広西省防城港の両サイトで実証炉が建設中であるほか、海外ではパキスタンで同設計を採用した建設工事を昨年から開始。アルゼンチンと英国でも、将来的に同設計の採用炉を建設することが決まっている。今度、国家戦略に従って原子炉を海外市場に一層大々的に売り込んでいくため、統一基準の下で同設計の技術統合をさらに進めるとともに、国内外で知的財産権と関連資産の共同管理を行うことになる。CNNCが開発した第3世代の「ACP1000」とCGNの「ACPR1000+」には設計上の類似点が多く、国家能源局(NEA)は2013年初めに一本化を決定。2014年8月に華龍一号としての全体設計をNEAと国家核安全局(NNSA)が承認した。福島第一原子力発電所事故の教訓をフィードバックするとともに安全系には動的および静的概念を組み合わせるなど、国際的に最も厳しい安全基準を満たすとしているが、両社それぞれのバージョンが存在すると言われている。華龍公司の設立は2014年8月に両社が結んだ技術統合合意に基づいており、2015年12月に両社は登記資本金5億元(約90億円)の合弁事業体として折半出資する合意文書に調印した。それ以降、同公司を北京で商業登記する作業が完了したことから、今回正式な発足に至ったもの。董事長としてCGNの鄒勇平氏、総経理にはCNNCの徐鵬飛氏がそれぞれ就任した。