EDFエナジー社:ヒンクリーポイントC計画に対する「遅延報道」に反論
英国で約20年ぶりというヒンクリーポイントC原子力発電所(HPC)建設計画を進めるEDFエナジー社は3月30日、同計画では巨額の投資規模がネックとなり遅延が予想されるとした複数のメディア報道について、「匿名の情報源から流された根も葉もない流言であり、非現実的な話だ」と反論する声明文を発表した。同計画の最終投資判断(FID)が複数回先送りされていることに端を発したものだが、EDFエナジー社は「初号機の運転開始は2025年末と決定しており、いかなる遅れも生じない」と断言している。
声明文の中で同社は、こうした報道が申し合わせたように明らかにHPC計画を標的にしているとし、同社の利益のみならず原子力産業界の利益にとって非常に有害だと指摘。フランスや欧州における雇用に対してもそれは同様だと述べた。また、FIDについては詳細かつ包括的な情報に基づいて、取締役がすでに何度も議論していると説明。FIDを下すべき時がくれば、取締役会が必要な情報をすべて使って判断すると明言した。
HPC計画では、160万kW級のアレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)を英サマセット州で2基、建設する予定。総工費は180億ポンド(約2兆9,000億円)と言われており、3月初旬にEDFエナジー社のT.ピケマル最高財務責任者(CFO)が突然、辞意を表明したことも、同計画の経済的実行可能性を疑問視する報道に拍車をかけていた。