フランス電力とアレバ社、原子力・代替エネルギー庁が政策協議組織設立へ

2016年4月4日

 フランス電力(EDF)とアレバ社、および原子力・代替エネルギー庁(CEA)の3者は3月31日、フランスの原子力部門が国内外で直面する重要かつ横断的な課題に統一的な見解で立ち向かい、適切な判断を下す準備を行うための協議組織「フランス原子力プラットフォーム(PFN)」を創設すると発表した。競争の激しい原子力部門での広範な変化に最良の方法で取り組めるよう、3者で議論する場が不可欠との認識から決めたもの。同部門としての中・長期的な統一ビジョン策定などでは特に、3者の意見統合により連合効果を一層高めるのが目的だとした。フランス大統領が海外輸出など原子力政策上の基本方針を決定するために関係閣僚や企業を招集して開催している「原子力政策会議」の席でも、3者で統一した見解は政策決定の準備を行ったり、実行に移していく上で大いに役立つとしている。

 PFNは3者の会長を含む主要幹部6名で構成され、年に4回のペースで参集。議長職は1年交代で持ち回ることになっており、初代議長にはアレバ社取締役会のP.バリン会長が就任する。優先的な検討課題は年末までに設定する方針で、具体的には、昨年成立したエネルギー移行法に合致した原子力部門の見通しや、外務省その他の関連省庁と連携した国際戦略の策定、アレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)の新型モデル(EPR NM)における技術オプションの審査、産業界の「原子力戦略委員会」と協調した原子力中小企業との関係強化、安全要件など規制上の変更点に対する見解の調整--などを列挙。このほか、国内外におけるクローズド原子燃料サイクルの将来展望や、使用済み燃料を深地層処分するCIGEOプロジェクトの合理化、原子力施設の解体技術開発、第4世代原子炉設計の研究開発プログラム--などを取り上げるとしている。