米ハッチ原子力発電所で緊急時用バックアップ機器貯蔵施設が完成
米ジョージア州でE.I.ハッチ原子力発電所(90万kW級BWR×2基)を所有するジョージア・パワー社は4月13日、蓄電池やディーゼル発電機など、緊急時の可搬式バックアップ電源機器を貯蔵するドーム施設がサイト内で完成したと発表した。福島第一原子力発電所事故後、米国の原子力産業界は深刻な外部事象により炉心冷却用の水と電源が失われた原子力発電所で安全性を確保するため、「多様で柔軟性のある対応能力を備えた戦略(FLEX)」を策定。FLEXドームはその一環となるもので、常設の安全系やバックアップ機器が作動しない場合に限って、ドーム内の機器が安全確保活動に使用されることになる。
ジョージア・パワー社の親会社であるサザン社は、ハッチ発電所以外でもA.W.ボーグルとJ.M.ファーリーの両原子力発電所ですでにFLEXドームを建設。ハッチ発電所のドームは高さと直径がそれぞれ約12mと約46mで、厚さ約46cmの鉄筋コンクリート壁で覆われている。地震のほかに竜巻や飛行物体の直撃にも耐えられるという頑丈な設計で、ポンプや通信装置、燃料補給機器なども格納するとしている。