米TVA理事会:未完成のベルフォンテ原子力発電所サイトの売却を決定
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©TVA
売却対象となるのは具体的に、1980年代に工事が中断したバブコック&ウィルコックス(B&W)社製PWR2基と冷却塔などの関連施設、高低2系統の開閉所、事務棟、倉庫、訓練センター、駐車場、鉄道の支線、ヘリコプターの離着陸場などで、敷地面積は1,600エーカー(約647ヘクタール)におよぶ。未完成の2基のうち、1号機については2011年8月に建設再開が決定したものの、同様に2008年に工事が再開したテネシー州ワッツバー原子力発電所2号機の完成を優先するため、ベルフォンテ1号機関係の従業員はレイオフすると決定。また、2007年にCOLを申請した3、4号機建設計画ではウェスチングハウス(WH)社製AP1000の建設を想定していたが、TVAは2010年に審査の停止を、今年2月には申請の取り下げを米原子力規制委員会(NRC)に要請していた。
現地の報道によると、すでに同サイトの購入について複数の関心表明があり、査定価格は3,640万ドル程という。理事の1人は、1号機の建設再開が決まった後にエネルギー市場の状況が大きく変化し、廉価な天然ガスや電力需要の伸び悩み、ワッツバー2号機の工期と経費の超過などがベルフォンテ・サイトの売却につながったと述べた模様。ただしB.ジョンソン総裁兼CEOの弁として、ワッツバー2号機の完成後に小型モジュール炉(SMR)技術がTVAとその顧客のニーズに合うと確認できれば、将来オプションとしてSMRの長期的な利用可能性を探るとの見解が伝えられている。