米国で21世紀初の原子炉、ワッツバー2号機が初臨界達成
米国のテネシー峡谷開発公社(TVA)は5月23日、テネシー州東部のワッツバー原子力発電所で建設中だった2号機(120万kW級PWR)が同日の午前2時16分(米国東部夏時間)に初めて臨界条件を達成したと発表した。米国では今世紀になって初となる商業炉であり、TVAは数週間以内に同炉で送電を開始できるとの見通しを明らかにした。営業運転の開始は夏頃になると見られている。
同炉の建設工事は1970年代に始まったが、電力需要の低迷などにより1985年に作業が停止。建設・運転一括認可(COL)を必要としない古い許認可システムの下で、2008年1月から工事が再開されていた。同炉は現在、低出力の安定した状態にあり、今後はこれを定格まで徐々に上昇させる試験をスケジュールに従って実施する予定。様々な出力の下でシステムや制御系の試験を繰り返し行って、設計どおりに安全運転が可能であることを実証するとしている。