ロシア:建設中のノボボロネジ6号機が最小制御出力レベルに到達
ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は5月23日、モスクワの南約500kmに位置するノボボロネジ原子力発電所で、建設中だった6号機が20日付けで初めて最小制御出力(MCP)のレベルに到達したと発表した。臨界条件の達成段階に、1%以下の出力で試験的に運転するというもので、今後は出力を段階的に上げつつ、様々な試験や計測を実施して送電網への接続と営業運転開始を目指す。
同発電所Ⅱ期工事の1号機とも呼称される同炉は2008年に本格着工しており、ロシアが第3世代プラスの設計と位置付ける120万kW級ロシア型PWR(VVER)の「AES-2006」を採用。受動的安全系と動的な安全系を組み合わせたという特徴があり、地震や津波、竜巻、航空機の衝突といった事象にも耐えうるとしている。MCP運転期間中は、炉内の中性子を計測して設計パラメーターとの整合性や制御系などが正確に機能していることを確認。タービン・ローターの試験的な空転も開始して、初併入時に備える考えだ。