IAEAのウラン備蓄バンク、2017年9月までに貯蔵施設の操業開始
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ウィーンで協定に署名するUMPの販売担当重役(=左)とIAEAのプロジェクト担当官©IAEA
核燃料の供給を保証しつつ核不拡散上の目標達成を目指した多国間管理システムの構築は、2003年に当時のM.エルバラダイ事務局長が初めて提唱した。IAEAのLEU備蓄バンクは、商業市場その他の既存ルートによるLEU供給が途絶した場合の最終手段として、IAEA理事会が設定した適格性基準を満たした加盟国のみが利用可能。100万kW級軽水炉を3年間運転するのに十分な量といわれる最大90トンを備蓄予定で、施設の安全・セキュリティはカザフ政府が責任を負い、同国の法制と規制要件に準じて運営される。また、LEUはIAEAによる保障措置の管理下に置かれるとともに、利用国にはIAEAの包括的保障措置協定の締結とその遵守が義務付けられる。
IAEA理事会が2010年12月に同バンクの設置・操業計画を承認した後、カザフ政府はIAEAの関心表明要請に応じて2011年7月にホスト国となることを提案した。2015年8月にはIAEAとカザフの間で同バンク設置の法的枠組となるホスト国協定が結ばれ、両者は共同調整委員会を設置。ホスト国で必要なインフラ整備のための活動計画などで合意していた。