米エクセロン社:ピーチボトム原子力発電所で合計80年間の運転申請へ
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©エクセロン社
今回の決定についてエクセロン社のC.クレイン社長兼CEOは、環境保護庁(EPA)が2014年に提案した「クリーン・パワー計画」における目標達成が主な目的だと説明。2030年までに発電部門からのCO2排出量30%削減を目指す同計画では、各州がそれぞれの状況に最適な発電ミックスを選択して、独自の目標達成プランの作成が求められている。同CEOによると、エクセロン社の原子力発電所を長期的に運転することで、ペンシルバニア州では意欲的かつ達成可能なCO2排出量削減目標の策定が可能になり、EPA計画の要件を満たすことができる。また、同発電所の常勤従業員約800名を含め、数千人分の雇用が維持されるなど、数十年にわたって地元経済を支え続けることになると強調した。
エクセロン社では2回目の運転期間延長申請を2018年に正式に提出し、2020年か2021年には最終判断を下す計画であることを、今後数週間以内にNRCに通達する。NRCの手続では、長期の運転に耐えうる堅固な設計や、予備も含めた複数の安全システムに関する包括的審査があるほか、パブリック・コメントの聴取も必要になるため、承認を得るまでに数年を要する見通し。NRC側ではすでに昨年12月、合計80年の運転期間延長申請に備えて、審査ガイダンスの策定準備を開始している。
米原子力エネルギー協会(NEI)のA.ピエトランジェロ上級副理事長は翌7日、エクセロン社の発表について「顧客や近隣コミュニティに対してエネルギー供給や環境影響面、および経済面で多大な恩恵がもたらされる」との見解を表明。同発電所を含め、ペンシルバニア州内5サイトの原子力発電所が州内の低炭素電力の93%を賄っている事実に言及し、24時間絶え間なく大容量の発電が可能な原子力は、州内の住民や企業に信頼性の高いエネルギーを提供するとともに、同州のCO2排出量削減目標達成にも貢献できると歓迎した。