米核安全保障局:「日本のプルトニウムと高濃縮ウランが米国施設に到着」
米エネルギー省(DOE)の国家核安全保障局(NNSA)は6月6日、日本原子力研究開発機構(JAEA)の高速炉臨界実験装置(FCA)から取り出されたプルトニウムと高濃縮ウラン(HEU)が、無事に米サウスカロライナ州のサバンナリバー・サイト(SRS)とテネシー州オークリッジ近郊のY-12国家安全保障複合施設に到着したと発表した。2014年と2016年の核セキュリティ・サミットにおける日米合意を受け、核物質がテロリストや権限のない者、犯罪者などに渡るのを防止する世界規模の取り組みの一環として行われたもの。プルトニウムは最終的に、ニューメキシコ州カールスバッドにある軍事・超ウラン元素(TRU)廃棄物深地層処分場(WIPP)の地下施設内に最終処分し、HEUは民生用に利用可能な低濃縮ウランに希釈されることになる。
輸送された核物質の量は公表されていないが、NNSAが最近発行した公式決定書(ROD)の記載では、FCAのプルトニウムは余剰プルトニウム6トンの一部。WIPPで処分する準備作業として、SRSにおいてWIPPの受け入れ基準およびその他の規制要件に適合する形に希釈とパッケージングが行われる予定。希釈技術はDOEが約15年にわたって実証済みのものであり、SRSその他のサイトから持ち込まれたプルトニウムはすでにWIPPで処分されているとした。また、米国に輸送されたHEUはひとまず、ウランの分離設備を備えたY-12施設で安全に貯蔵。その後希釈を行うが、濃縮ウランとその副産物は日米両政府の合意事項と協力協定の条件に従って利用すると説明している。