バングラデシュ:原子力導入計画で立地許可発給
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両国は2011年2月の事前合意に基づき、同年11月にロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)社をルプール原子力発電所建設計画の主契約者に選定。2013年1月に環境影響調査やエンジニアリングなどの準備作業にロシアが5億ドルを融資する事で政府間協定を結んだのに続き、同年6月にはこの作業の実施契約も締結した。2015年12月になると、ASE社がバングラデシュ原子力委員会から建設計画をターンキー・ベースで請け負う契約が調印され、当初100万kW級VVERと発表されていた採用設計が、120万kW級で第3世代プラスのVVER「AES-2006」になる事が明らかになっている。
ASE社の親会社であるロシア国営原子力総合企業ロスアトム社の6月24日付け発表によると、両国政府は同月21日と22日、バングラデシュで建設計画に関する第2回共同調整委員会を開催。ここではASE社が請け負った一括契約の発効を急ぐことが主な議題になったほか、2017年半ばには最初のコンクリート打設を行う判断が下された。
また、現地の報道によると、バングラデシュ内閣は6月27日、総工費126億5,000万ドルのうち113億8,000万ドルをロシア政府から信用取引の形で受け取るための政府間協定案を承認。7月か8月にも両国政府が同協定に調印するとの見通しを伝えている。同協定案には信用取引の詳細や金利、プロジェクト期間などを明記。金利は国際基準であるLIBOR(ロンドン銀行間平均貸出金利)プラス1.75%で、4%を超えないものとするほか、返済期間は30年間で10年間の支払い猶予期間を設定したという。実際の返済は2027年3月15日に開始され、バングラデシュは3月と9月の年2回、同額の分割払い金を支払うが、契約総額の少なくとも10%は前金としてロシア企業に支払わねばならない模様。また、こうした手続はロシアの開発対外経済銀行、およびバングラデシュ大手のソナリ銀行が担当するとしている。