スイスALPIQ社:原子力解体事業の拡大で独社との協力強化
スイスでライプシュタットとゲスゲン両原子力発電所の一部を所有するALPIQ社は6月27日、原子力施設の国際的な解体市場で同社のプレゼンスを拡大するため、ドイツで発電関係事業全般を手がけているSTEAG社との協力関係を強化すると発表した。2011年の福島第一原子力発電所事故を受けて、スイスでは2034年までに国内の原子炉全5基を段階的に閉鎖することが決定しているほか、ドイツでも2022年までに脱原子力を達成する計画。今後は原子力施設の廃止措置と解体事業が大きな市場に成長するとの見通しから、エネルギーの提供と発電所関連技術という既存の能力を拡大し、新たな成長の機会を模索していくとしている。
今回の戦略では、両者間の既存のプロジェクト関連協力に基づき、ALPIQグループに属するクラフタンラーゲン・ハイデルベルク社とドイツのSTEAGエネルギー・サービス社が長期的な戦略的協力の基盤を築く。双方が提供可能なサービスによりお互いが適切に補い合う関係にあり、クラフタンラーゲン社が有する発電所関連の広範な技術とSTEAG社の貯蔵・処分関係の専門的知見を活用していくとした。将来的には信頼性の高い、国際的にも経験のあるパートナーとしての競争力を増強。自らの原子力施設解体プロジェクトを実施するほか、それらのプランニングと実施で請負業者になることを目指す。両者はまた、解体作業用の機器やエンジニアリング・システムの供給も計画。解体プロジェクトで必要な、廃棄物処理施設のプランニングと建設も提案していく。
クラフタンラーゲン社はすでに、原子力施設の閉鎖や解体でトータル・ソリューションを提供した実績を保有。ドイツで閉鎖されたビュルガッセン、オブリッヒハイム、イザール1、ネッカー1,およびフィリップスブルク1などの原子力発電所で解体プロジェクトに関与しているほか、スイスでも30年以上の活動経験があるとしている。