英ホライズン社:ウィルヴァ・ニューウィッド計画で海底調査開始
日立製作所が英国で所有するホライズン・ニュークリア・パワー社は7月4日、ウェールズ地方アングルシー島におけるウィルヴァ・ニューウィッド(=ウェールズ語で「新しいウィルファ」)原子力発電所建設計画で、近隣海底の詳細な調査を開始したと発表した(=写真)。英国仕様のABWR(UK-ABWR)を設置する地点の沖合で、海底の地質状態などに関する理解を深めるのが目的で、ホライズン社はこうした作業の専門企業、およびプロジェクト支援企業の1つであるアトキンズ社の地質工学チームとともに、8月末まで海底や海岸線の試料採集といった研究活動を沖合で実施する。同計画でホライズン社は、閉鎖済みのウィルファ原子力発電所の近隣地区に少なくとも270万kW分の日立GE社製UK-ABWRを建設予定で、2020年代前半の初号機運転開始を目指している。今年5月にはエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約締結までのエンジニアリング業務サプライヤーとして、日立とベクテル社、および日揮で構成される国際コンソーシアム「メンター・ニューウィッド」を指名。英国規制当局によるUK-ABWRの炉計画認証評価も、計画どおり2017年末に完了するとしている。今回の調査では、掘削基地を搭載した艀(はしけ)2艘を入江の岸辺近くの、将来的に冷却水取水構造物と防波堤の建設を予定しているエリアに定置し、33のボーリング孔を掘削する。同建設プロジェクトにおける重要な技術ステップの1つでもあり、建設期間中に必要となる機材や大型機器の多くを海側から運び込むことで、陸上の運送量を削減することもできるとした。同社はすでに、地盤調査で同様の作業を完了しているが、今回の作業チームはウィルファ発電所に近い同入江の陸上部でも試料を採取することになる。