米TVA:10月までにベルフォンテ原子力発電所の売却完了へ
米国の経営・金融コンサルティング会社であるコンセントリック・エナジー・アドバイザーズ社は7月18日、テネシー峡谷開発公社(TVA)の依頼により、アラバマ州にある未完成のベルフォンテ原子力発電所とその敷地、および付属するインフラ設備の公開オークションを10月までに完了する計画だと発表した。同発電所サイトでは部分的に完成した1、2号機が立地しているが、TVA理事会は今年5月、顧客や地域住民、州政府、地元当局者らの意見を分析した結果、売却してより良い用途に活用するとの方針を票決していた。オークションは2段階に分けて実施される予定で、9月9日あるいはそれ以前に第1段階の入札手続を行い、詳細について適切に配慮した後で第2段階を実施。10月の手続完了を目標に、同コンサルティング会社は発電所サイトとオークション手続に関する資料を数週間以内に公表するとしている。
オークションの対象は約1,600エーカー(約647ヘクタール)の敷地、未完成のバブコック&ウィルコックス(B&W)社製PWRと冷却塔2基ずつに加えて開閉所、取水システム、事務棟、倉庫、訓練センター、駐車場、鉄道の支線、ヘリコプターの離着陸場など。1980年代に工事が中断した2基のうち、1号機は2011年8月に建設再開が決定したが、TVAはテネシー州のワッツバー原子力発電所2号機の完成を優先させるために1号機関係の従業員をレイオフ。同じ敷地内で3、4号機を増設する建設・運転一括認可(COL)も申請していたが、TVAは今年2月に同申請の取り下げを米原子力規制委員会(NRC)に要請した。現地の報道によると、1号機の建設再開が決まった後に市場の状況が大きく変化し、廉価な天然ガスと電力需要の伸び悩みが同発電所の売却判断につながったとTVAは述べたと伝えられている。同発電所の査定価格は3,640万ドルと見積もられたが、コンサルティング会社はオークションでこれよりはるかに高い値が付くと期待している。