フィンランドのハンヒキビ1号機、タービン系はアルストム社が供給

2016年8月5日

 フィンランドのフェンノボイマ社からハンヒキビ原子力発電所1号機の建設工事を受注したロシアのロスアトム社は8月3日、同発電所のタービン発電機系統供給業者としてGE社傘下のアルストム・パワー・システムズ社を選定したと発表した。7月28日に、ロスアトム社傘下の総合建設請負業者として設立したRAOSプロジェクト社がアルストム社とモスクワで契約に調印したもの。アルストム社は今後、同社の最新式低速タービン技術「アラベル」を採用した発電機パッケージの設計を直ちに開始し、2021年までに大半の機器を現地に納入することになる。同契約ではまた、これらの機器の据え付けと起動作業に関する助言サービスの提供が含まれるとしている。

 フィンランド中西部のピュハヨキで進められている同プロジェクトでは、120万kW級のロシア型PWR(VVER)シリーズ「AES-2006」を採用予定。2015年6月にフェンノボイマ社が申請した建設許可はまだ下りておらず、2018年の許可取得とともに原子炉とタービンの両系統に着工し、2024年からの営業運転開始を目指している。原子炉系統機器の基本設計はVVERの中心的設計開発企業のギドロプレス社、原子力蒸気供給系などはロスアトム社の機器製造部門であるアトムエネルゴマシ社が受注。それ以外の原子炉系統の資機材や設計・調達、計測制御(I&C)系の設計・納入などは、TITAN-2社が契約を獲得していたが、安全関係のI&C系については今年4月、フェンノボイマ社の意向により、英国のロールス・ロイス社が初期段階の構造設計を請け負った。