米ニュースケール社:SMRの製造企業選定プロセス 開始

2016年8月19日

 米オレゴン州を本拠地とするニュースケール・パワー社は8月17日、開発中の小型モジュール炉(SMR)「パワー・モジュール」について、製造を担当する有能な企業の選定プロセスを開始すると発表した。11月3日にジョージア州アトランタで、潜在的なサプライ・チェーン・パートナーを対象とする招待者限定の説明イベント「NuFAB」を開催する計画。同社製SMRの初号機建設プロジェクトは、隣接するユタ州の市町村電力公社(UAMPS)が主導しており、米エネルギー省(DOE)は今年2月、UAMPSに対してアイダホ州南部にあるアイダホ国立研究所(INL)の敷地を建設用地として使用することを許可した。ニュースケール社はUAMPSが2015年に開始した「無炭素電力プロジェクト(CFPP)」に参加しており、このプロジェクトで使用される同社製SMRの設計認証(DC)審査を今年中に原子力規制委員会(NRC)に申請予定であるほか、2017年~2018年には建設・運転一括認可(COL)も申請する。これらの手続が順調に進めば、2024年にも初号機の運転を開始できるとしている。

 ニュースケール社のSMRは固有の安全性を有するという出力5万kWの一体型PWRで、工場で予め組み立てた後、サイトまで陸路や海路での輸送が可能。12基連結することにより、出力も最大60万kW(ネットで57万kWほど)まで拡大することができる。2013年には、DOEが6年計画で実施している総投資額9億ドルの官民折半型「SMR商業化支援プログラム」の対象設計に選定され、設計エンジニアリングやDC取得などに関する支援を受けている。

 今回の発表によると、ニュースケール社は小型でクリーンかつ安全な次世代SMRを専門に、10年以上にわたり開発と商業化に取り組んでいる米国唯一の企業。同社の革新的なSMRを市場に出すには、同社と連携していく精鋭チームの構築が必要だとしており、NuFABでは、製造企業の選定プロセスに関する情報や製造企業の期待に応えるための主な情報を提示する。潜在的な製造パートナーにSMR技術を直接知ってもらうほか、同社のエンジニアや幹部との協議を通じて、SMR設計を実物に変えるのに必要な製造能力が理解されるよう意図。プログラムとしては、ニュースケール社の重役や調達・品質保証・エンジニアリング関係のスタッフによるプレゼンテーション、Q&Aを組みこんだほか、前日の夜にはレセプションも開催する。イベントに参加する招待状の請求は同社の担当部まで。NuFAB@nuscalepower.com