リトアニア:イグナリナ発電所の廃止措置で1号機のタービン・ホール解体が完了

2016年8月23日

 リトアニアで2004年から2009年までに閉鎖されたイグナリナ原子力発電所1、2号機の廃止措置計画で、2011年10月に始まった1号機タービン・ホールの解体プロジェクト(B9/1)が完了した。同発電所が8月19日に発表したもので、今年7月までに取り外したタービンや発電機器、熱交換器、ポンプ、弁、配管などの重量は18,159トンにのぼったとしている。同タービン・ホールでは現在、解体した機器の初期処理を継続的に実施中で、粉砕や除染、放射線測定、パッケージングといった作業が完了するのは2019年になるとの見通しを示している。

 イグナリナ発電所の2基は各150万kWという大型原子炉で、同国における総発電量の7割と輸出用電力を賄っていたが、チェルノブイリ原子力発電所と同じ軽水冷却黒鉛減速炉(LWGR)であったため、リトアニアが欧州連合(EU)に加盟する際の条件として早期閉鎖された。この関係で廃止措置経費のかなりの部分は欧州委員会(EC)が「イグナリナ国際廃止措置支援基金」を通じて援助しており、2038年に発電所全体の廃止措置完了を目指している。これまでに、廃止措置で生じる短・長寿命固体廃棄物12万立方メートルの回収と輸送、分類、包装、特性評価、貯蔵を行う施設(SWMSF)の予備試運転を2015年8月から開始。既存の暫定貯蔵施設から廃棄物を回収する設備(B2)と処理・貯蔵設備(B3/4)の作業進捗率はそれぞれ、73%と82%となっており、2017年に放射性廃棄物を使ったホット試験を行った後、2018年に運転を開始する。また、使用済燃料の中間貯蔵施設(ISFSF)建設プロジェクトでは今年1月、取り扱い機器のコールド試験をスタート。2017年秋には操業開始予定となっている。

 

©イグナリナ原子力発電所

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