アレバ社:原子炉部門売却にともなう新会社の設立手続 開始

2016年9月1日

 フランスのアレバ社は8月30日、原子炉部門であるアレバNP社のフランス電力(EDF)への売却計画にともない、残る核燃料サイクル部門などを統合して設立する「新会社」の準備手続を正式に開始した。これまでに、アレバ社が核燃料サイクル関係で保有する全資産と負債、および債券化した債務の新会社への移転を明記した「一部移転契約案」をすでに採択済み。これらの資産や負債の実勢価格は14億ユーロ(約1,600億円)ほどで、同契約案に対する承認を得るために、9月19日に社債権者集会、11月3日には臨時総会を開催する方針である。また、2017年初頭に予定している50億ユーロ(約5,800億円)の増資については、アレバ社に20億ユーロ(約2,300億円)、新会社に30億ユーロ(約3,500億円)をそれぞれ配分することを確認した。この増資手続には欧州委員会(EC)の承認が必要だが、フランス政府は直接的、あるいはアレバ社を通じて新会社株の少なくとも3分の2を保有することになる。

 新会社の設立プランは、アレバ社が6月に公表していたもので、今年後半の作業として、子会社のアレバ鉱山社やアレバNC(核燃料サイクル)社のほか、プロジェクト管理会社や事業サポート会社を統合した新会社を完全子会社として設立する。主な事業は、ウランの採掘と転換および濃縮、使用済燃料のリサイクル、廃棄物と燃料輸送のためのパッケージング、廃止措置と関連サービス、核燃料サイクルのエンジニアリング、輸送を含むプロジェクト管理、などとなっている。