米GE社:英ヒンクリーポイントC計画のタービン系統 受注
米国のゼネラル・エレクトリック(GE)社は9月16日、仏国のEDFエナジー社が英国で進めているヒンクリーポイントC原子力発電所(HPC)(160万kW級PWR×2基)建設計画に2基分のタービン発電機系統を納入する19億ドルの契約を獲得したと発表した。英国のT.メイ政権はその前日、国内で約20年ぶりの原子力発電所新設計画となるHPC計画の実施を条件付きで承認したが、GE社は半年以上前からEDFエナジー社との早期請負者関与(ECI)協定の一環として、設計前調達計画や安全区分調査、土木工事インターフェースなどの活動で緊密に協働していたもの。今回の受注決定を受け、同社は次の段階である設計・エンジニアリングと製造に進む方針で、昨年買収した仏アルストム社の「アラベル」技術に基づく蒸気タービンと発電機、およびその他の関連機器をHPC発電所に納入するとしている。
GE社はアルストム社の重電事業買収手続を完了した後、関連事業の再編を行っており、HPC発電所用タービン系の製造と納入はGEパワー社の1事業部門であるスチーム・パワー・システムズが実施する。アルストム社を買収したことにより、同社は信頼性のある効率的な電力供給ソリューションで一層広範なポートフォリオの提案が可能になったと強調。この10年間に運転中のタービンとしては世界最大規模の出力を持つアラベル・タービンには原子力蒸気タービンに関する過去60年分の知見が集約されており、古い機器構成のタービンより出力が2%増強されるとした。
同社はまた、エネルギー供給保証と経済成長のために英国政府が打ち出したビジョンの実現を、EDFエナジー社とともにHPC計画で支援していきたいとの抱負を述べた。英国では2010年以降、発電設備の20%が閉鎖されたほか、2030年までにさらに35%が閉鎖される予定。昨年末のCOP21以降、低炭素電源への移行機運が高まるなかで、英国政府が一年を待たずに歴史的に重要な政策決定を下したと称賛した。CO2を排出しないHPC発電所が完成すれば、60年にわたって英国の電力需要量の7%を供給していくことになると同社は予想している。