米エネ省:劣化六フッ化ウラン転換工場の操業契約をWH社等の合弁会社に発注
米エネルギー省(DOE)は9月29日、ケンタッキー州パデューカとオハイオ州パイクトンにある劣化六フッ化ウラン(DUF6)転換工場の操業契約をウェスチングハウス(WH)社、アトキンズ社およびフルアー社の合弁事業体「ミッド・アメリカ・コンバージョン・サービス(MCS)社」に発注した。DUF6は、核兵器や商業炉用核燃料を製造するために両サイトのガス拡散法ウラン濃縮工場で過去60年間に実施した濃縮作業の副産物で、DOEが両サイトで保管している在庫量は約765,000トンにのぼる。DUF6を化学的に安定した劣化酸化ウランに転換するプロジェクトは、1992年にオハイオ州の環境保護庁(EPA)がDUF6貯蔵に対する懸念を正式表明したことに端を発しており、その後の法整備を経て2つの転換工場が2011年に本格的な操業を開始。これまではバブコック&ウィルコックス(B&W)社の子会社がDUF6転換工場の操業・管理を請け負っていたが、DOEは同社との契約が満了したのにともない、資機材調達プロセスに競争原理を働かせるため、複数の提案企業の中から新たな契約企業としてMCS社を選定した。今回の契約総額は、今年から始まる5年の契約期間に3億1,800万ドル。MCS社はDUF6が封入されている大型の金属製シリンダーの点検・メンテナンスに加えて、DUF6を将来的な再利用や長期的な貯蔵、最終的な処分に適した劣化酸化ウランに転換する。また、転換処理の過程で発生するフッ化水素酸は産業界で再利用が可能なため、販売の仲介も行うことになる。
WH社は今回の大規模な環境管理契約受注により、連邦政府の事業に再び参加することができると歓迎した。原子力施設の廃止措置や使用済燃料管理サービス等の専門企業であるアトキンズ社も、DUF6転換工場の建設管理を担当したという同社の実績に言及し、関連する重要プロジェクトに改めて関与できることは喜ばしいとコメント。エンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約の専門企業であるフルアー社は、今回の契約における実作業を2017年第1四半期から開始する見通しであることを明らかにした。