中国で34基目の商業炉、防城港2号機が営業運転開始

2016年10月5日

©FCGNP

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 中国広核集団有限公司(CGN)と広西投資集団公司が61対39の割合で出資する広西防城港核電有限公司(FCGNP)は10月1日、中国で34基目の商業炉として広西省チワン族自治区の防城港原子力発電所2号機(PWR、108万kW)(=写真)が営業運転開始条件を達成したと発表した。2010年12月に本格着工した同炉では、今年5月に最初の燃料を装荷。6月末に臨界条件を初めて達成した後、7月半ばに送電を開始していた。同発電所では同型の1号機がすでに今年1月に営業運転を開始していることから、Ⅰ期工事の2基がすべて完成したことになる。同炉では今後、発電事業許可その他の承認を取得することになるが、通例として条件の達成日が営業運転開始日に認定される見通しだ。

 1、2号機の採用設計はCGNがフランスの技術をベースに開発した「CPR1000」だが、燃料の取り扱い・貯蔵システム、その他の機器を国産化したことでⅠ期工事の総合的な国産化率は80%に達したとCGNは指摘。Ⅱ期工事の3、4号機については、中国が知的財産権を有する第3世代の輸出用設計「華龍一号」の採用が決まっており、2015年12月には同設計の実証炉プロジェクトとして3号機の建設工事が始まった。この関連でCGNは、同社が33.5%の出資を約束しているヒンクリーポイントC原子力発電所建設計画について、英国政府が9月29日に計画を実行に移すための最終合意文書に調印した事実に触れた。同社が昨年10月にこの件で英国側と合意した際、後続のサイズウェルC建設計画で同社は20%の出資を約束。その後のブラッドウェルB建設計画については「華龍一号」設計を採用し、防城港3号機を参照プラントとすること、2016年にも同設計を英国の包括的設計審査に申請すること、建設プロジェクトは中国が主導することなどが決まっていると強調した。