ロスアトム社の新総裁にリハチョフ氏、前総裁は大統領府第一副長官に
ロシア大統領府は10月5日、V.プーチン大統領が国営原子力総合企業ロスアトム社のS.キリエンコ総裁(54)を大統領府の第一副長官に任命したと発表した。署名済みの大統領令は同日付で発効、これにともない空席となるロスアトム社の総裁ポストには、経済発展省のアレクセイ・リハチョフ第一次官(53)(=写真)が同じ日に任命された。リハチョフ氏はこれまでにエネルギー産業分野での経験が乏しく、ロスアトム社の同日の発表によると、総裁職務は差し当たりA.ロクシン運営管理担当・第一副総裁が引き継ぐとしている。2005年にロスアトム社の前身である原子力庁長官に任命されたキリエンコ氏は、1990年代にはロシア議会の下院議員や燃料・エネルギー省第一次官、ボルガ連邦管区大統領全権代表を務めたほか、B.エリツィン大統領時代の1998年に4か月間だけ首相のポストについた経験もある。同氏がロスアトム社を牽引した過去10年以上の間に、同社は効率性の高い高収益の企業に成長したとの評価があり、今回の抜擢人事はそうした実績が認められたと見られている。
リハチョフ氏はニジニ・ノブゴロド市にあるロバチェフスキー州立大学で電波物理学を修めるとともに、経済学の博士号を取得した。同市で計装工学関連の研究所や社会保険企業などに勤務した後、2000年から2007年までロシア議会下院で経済政策委員会などの活動に従事。2007年以降は経済発展省で審議官や次官を歴任したのに続き、2015年2月から第一次官を務めていた。