仏アレバ社:組織再編にともない米国法人の保有認可を移転
仏アレバ社の米国法人が米原子力規制委員会(NRC)から取得していた複数の認可について、所有者の名義変更を行ったことが10月12日付けの連邦官報で明らかになった。原子炉部門であるアレバNP社をフランス電力(EDF)に売却するのにともない、アレバ・グループは残る核燃料サイクル部門などを統合して新会社を設立する予定。連邦官報に記載された情報から、新会社の事業ラインの1つとして「アレバ・ニュークリア・マテリアルズLLC」の名称が挙がっている。
今回NRCは、米国法人からの要請を受けて以下の認可の移転を承認した。
(1)アレバ・エンリッチメント・サービス社がアイダホ州で計画していた「イーグル・ロック遠心分離法ウラン濃縮工場」の建設・運転認可を間接的にアレバ・ニュークリア・マテリアルズLLCへ、
(2)米国法人がワイオミング州の閉鎖済み「ラック・マック・ウラン製錬所」と、残ったウラン鉱滓について保有する原料物質認可を直接、アレバ・ニュークリア・マテリアルズLLCへ、
(3)天然ウランを六フッ化ウランの形でオランダに輸出するため、米国法人が保有していた認可を直接、アレバ・ニュークリア・マテリアルズLLCへ、
(4)特殊な核物質を固体の形でオランダと南アフリカに輸出するため、米国法人が保有していた認可を直接、「TNアメリカズLLC」(使用済燃料の乾式貯蔵・輸送会社であるアレバTN社を社名変更して設立予定)へ、--である。
米国法人はこのほか、組織再編にともないグループ内で社名変更する企業について、変更に即した保有認可の修正を要請。また、サウスカロライナ州で建設中の「ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料製造施設」については、建設工事を請負っている「CB&I・アレバMOXサービス社」の所有権30%をアレバ・ニュークリア・マテリアルズLLCに移転するものの、残り70%を所有するCB&I社の建設認可には影響が及ばないようNRCに求めている。