パキスタン:国内4基目のチャシュマ3号機が送電開始

2016年10月20日

©CNNC

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 パキスタンで原子力発電設備の開発に協力している中国核工業集団公司(CNNC)は10月16日、同国4基目の商業炉となるチャシュマ原子力発電所3号機(C3)(PWR、34万kW)が15日付けで送電を開始したと発表した(=写真)。2011年3月に本格着工した同炉は、10月2日に初めて臨界条件を達成。年内にも営業運転に入ると見られている。同発電所ではこのほか、9か月遅れで着工した同型の4号機(C4)も、2017年の営業運転開始を目指して順調に建設中となっている。

 パキスタン政府は2050年までに4,000万kWの原子力発電設備開発を目標に掲げているが、核不拡散条約(NPT)に未加盟のため欧米の原子力先進国から技術面や資金面での支援が得られず、中国がこれらの両面で20年以上にわたりパキスタンに協力している。チャシュマ発電所で2000年と2011年にそれぞれ営業運転を開始した1、2号機(各PWR、32.5万kW)も、CNNCの全面的な協力により建設されたもので、設計は中国の秦山第Ⅰ原子力発電所(PWR、31万kW)の設計をベースとする「CP300」。チャシュマ3、4号機にも同じ設計を採用しており、これら2基の建設プロジェクトは2010年2月、中国とパキスタン両国政府間で融資協定が発効したのにともない、実行に移されていた。

 パキスタンではさらに、カラチ原子力発電所2号機(K2)(PWR、110万kW)が2015年8月に本格着工しており、中国が知的財産権を保有する輸出用の第3世代設計「華龍一号」を採用。中国国外で同設計が建設される最初のプロジェクトとなり、中国製原子炉の今後の海外進出が注目されている。