米規制委:レビィ郡原子力発電所建設計画に条件付きで建設・運転一括認可発給へ
米原子力規制委員会(NRC)は10月20日、フロリダ州におけるデューク・エナジー・フロリダ(DEF)社のレビィ・カウンティ原子力発電所建設計画に対し、条件付きで建設・運転一括認可(COL)を発給する方針を固めた。ウェスチングハウス(WH)社製AP1000を2基、建設するという同計画についてNRCスタッフがまとめた安全性と環境影響評価を妥当と認めたもので、数日以内に発給されると見られている。しかし、DEF社は2013年、州法の改正により建設期間中の一部コスト回収が不透明になってきたこととCOL審査の遅れを理由に、WH社と2009年に結んだエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約を解除していた。現地の報道によると、同社は「実際に原子炉建設を行うかはCOL取得後に検討する」とコメントした模様。フロリダ州にとって原子力は確かに実行可能なオプションではあるが、レビィ・カウンティの2基が喫緊に必要とは思えないと述べたことが伝えられている。
同建設計画のCOL申請書は、DEF社(当時はプログレス・エナジー・フロリダ社)が、デューク・エナジー社に買収される以前の2008年7月にNRCに提出。NRCは2014年に環境面の影響評価審査を完了し、最終環境影響声明書(FEIS)を発給する一方、安全面については原子炉安全諮問委員会(ACRS)が審査を続けていた。COL発給の条件として、今回NRCが提示した事項は、(1)NRCが福島第一事故後に要件とした事故時の影響緩和戦略と使用済燃料貯蔵プールの計装強化で具体的なアクションを取る、(2)福島第一事故を考慮した緊急時の対策計画と手順について、起動前の実施スケジュールを提示する、となっている。