英国:EDFエナジー社がサイズウェルC建設計画で2回目の公開協議
英国で20年ぶりの新規原子力発電所となるヒンクリーポイントC(HPC)建設計画を進めているEDFエナジー社は11月9日、これに続くサイズウェルC原子力発電所建設計画について、第2回目の正式な公開協議を11月23日から開始すると発表した。中国広核集団有限公司(CGN)が20%の出資を約束している同計画で、EDFエナジー社はHPC計画と同じく仏アレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)を2基建設する予定。サイズウェルC計画の実施が確定した場合、EPR設計を初めて建設する際にかかる経費をこれら2つの計画で共有できるため、HPC発電所の発電電力を政府が差金決済取引(CfD)で買い取る際の固定(行使)価格は92.5ポンド(約12,000円)/MWhから89.5ポンド(約11,700円)/MWhに引き下げられることになる。
英国南東部のサフォーク州に立地するサイズウェル発電所では、現在、英国唯一の軽水炉であるサイズウェルB発電所(PWR、125万kW)が1995年から稼働中。第1回目の公開協議は2012年11月から2013年2月まで行われ、100件以上の関係イベントや集会、教区会でのプレゼン会合に参加した4,000人以上のサフォーク州民がサイズウェルC計画に対する理解を深めた。ここで得られた意見や技術・環境調査の途中経過をフィードバックする形で、EDFエナジー社は2回目の公開協議を2017年2月3日まで開催する。当初の提案から主要な要素のいくつかで改良を加えたものの、それ以外の変更はないと説明した。同社が公開する関係文書について、地元住民はインターネットや書簡、電話で意見を提示できるほか、サフォーク州の東部全域で開催される22件の展示やイベントでは、待機しているEDFエナジー社のプロジェクト・チームから直接、疑問点に対する回答を得ることが可能だ。EDFエナジー社によると、サイズウェルC発電所の2基が完成すれば、500万世帯に十分な電気を供給するなど、英国の将来的な低炭素エネルギー供給に大きく貢献。国内で必要になる電力需要量の7%を満たせるとした。また、建設期間中に5,600人分の雇用が建設サイトで創出されるほか、完成後も900人の雇用を予定していると述べた。なお、EDFエナジー社は最終的に詳細提案を環境省付属の計画審査庁に提出する前に、さらにもう1回公開協議を実施する予定。日程は今のところ確定していない。