フィンランド:使用済燃料処分場建設で最初のトンネル掘削契約 締結
世界初となる使用済燃料最終処分場の建設計画をフィンランドで進めているポシバ社は、11月29日に最初のトンネルの掘削契約を国内の大手建設企業YITグループと締結したと発表した。契約金額は2,000万ユーロ(約24億円)で、12月にも作業を開始する計画。2年半の契約期間中に、最初の中央トンネル、およびこれに通じる車両用トンネルを掘削するほか、キャニスター用リフトの設置が予定されている立て坑の掘削に向けて特殊工法の準備も整える。また、地下約430mの地点にキャニスターの受け入れステーションも掘削するとしている。ポシバ社の現在のスケジュールでは、同処分場は2023年の操業開始が見込まれている。
ポシバ社は、国内で原子力発電所を運転するティオリスーデン・ボイマ社(TVO)とフォータム社が使用済燃料最終処分の実施主体として設立した事業体で、2000年にオルキルオト原子力発電所の近郊エリアを建設サイトに選定した。同じ年に政府が最終処分場プロジェクトを「原則決定(DIP)」したのに続き、議会も翌年にこれを承認。ポシバ社は2012年に同処分場の建設許可を政府に申請した。これに対する許可は2015年11月に政府から発給されており、これまで建設段階の準備作業が進められてきた。放射線・原子力安全庁(STUK)もポシバ社の人的資源やプロジェクト管理能力、品質保証能力、安全文化、設計活動などを審査した上で、11月25日に「ポシバ社は建設工事を開始できる立場にある」と結論付けていた。この決定と今回の契約により、建設許可で許されている最初の作業の開始が可能になったもの。建設関係の後続契約は今後、作業の進展状況に合わせて順次、結んでいくとしている。