香港の大手電力企業、陽江原子力発電所の権益17%取得へ
香港証券取引所に上場する大手電力企業の中電控股有限公司(CLP)は11月30日、広東省にある陽江原子力発電所の権益17%を中国広核集団有限公司(CGN)傘下の中国広核電力から購入するため、条件付きの株式移転契約に調印したと発表した。この件に関するCLPの総投資額は70億元(約1,159億円)に達する見通しである。CLPはすでに、広東大亜湾原子力発電所についても25%の権益を保有しており、主要な戦略的市場と位置付ける広東省で原子力発電所の権益を取得するのは今回が2件目。コスト効果の高い無炭素電源への投資を増強することで省内のプレゼンスを強化するとともに、同社が目標として掲げている「気候変動ビジョン2050」の達成を大幅に加速していく考えである。取引の実施は中国規制当局による承認などが条件となっており、CLPとしては2017年前半の手続完了を目指すとしている。
陽江原子力発電所は香港の南西220kmに位置しており、現在100万kW級PWRの1~3号機が運転中であるほか、4~6号機も2017年~2019年の営業運転開始を目指して建設中。全6基が完成した場合、それらの権益17%を通じてCLPが保有する無炭素電源の総設備容量は110万kWに拡大することになり、同社の将来的な収益に良い影響がもたらされるとした。原子力発電については、中国を低炭素経済に移行させる重要な役割があると確信しており、今回の投資はそうした自信を明確に示すものだと説明した。