仏規制当局:日本製下鏡付きの蒸気発生器を備えた12基のうち10基で再稼働し得ると判断
仏原子力安全規制当局(ASN)は12月5日、蒸気発生器(SG)底部の半球型部品(下鏡)に日本鋳鍛鋼株式会社(JCFC)製の鍛造品が使われている原子炉12基について、機械的強度を弱める炭素偏析の存在を調査する過程の中で、90万kWの原子炉10基は全般的に見て再稼働可能と考えられるとの判断を発表した。ただし実際の再稼働に至るまでには、事業者であるフランス電力(EDF)が原子炉毎に追加情報を提出することが条件。残る145万kWの2基についても、EDFが近いうちに分析結果を提示予定となっている。
ASNは今年6月、国内の原子炉58基中18基のSGで鋼材組成に異常が存在する可能性があると発表しており、EDFに対しては詳細な安全性分析の実施を指示。10月になると、18基のうちJCFC社製の鍛造品が使われた12基について追加調査を実施中であることを明らかにしていた。今回の発表によると、EDFは10月と11月に90万kW級の10基のSGについて、有用性を保証する文書をASNと放射線防護原子力安全研究所(IRSN)に提出した。ASNらは、EDFが安全分析で使用した前提と手法は容認できると評価したものの、データ上の仮説については機器の複製品を用いた試験プログラムで確認する必要があると判断。EDFには再計算や再評価、運転時の補完的措置の導入・拡充などを中期的に行うよう、個別の要請を行ったとしている。