UAE規制当局:導入初号機用燃料の輸送・取り扱い・貯蔵を許可
アラブ首長国連邦(UAE)の連邦原子力規制庁(FANR)は1月22日、UAE初の原子炉となるバラカ原子力発電所1号機用の燃料について、新燃料を発電所まで輸送する許可を首長国原子力会社(ENEC)に、また、取り扱いと貯蔵に関する許可を運転管理会社のNAWAHエナジー社に発給したと発表した(=写真)。アブダビ首長国西部のペルシャ湾岸に立地する同発電所では、韓国電力公社(KEPCO)の企業連合が出力140万kWの韓国製PWR×4基の建設計画を請け負い、2012年7月に1号機の建設工事を開始。現在の進捗率は91%に達しており、年内にも営業運転が開始される見通しである。FANR理事会が燃料関係の2つの許可発給を承認したのは昨年12月中旬のことで、これに先立ちFANRスタッフは、これらの申請書が安全・セキュリティと保障措置に関するFANRの厳しい要件を満たしているか、徹底した評価と準備状況検査を実施した。理事会メンバーも同月、建設工事の進捗状況を確認するために同発電所を視察したほか、緊急時対応計画のアップデートを目的に緊急時オペレーション・センターを訪れた。今回、1号機について初装荷燃料の輸送、および取り扱いと貯蔵が許可されたものの、NAWAH社が実際に燃料を装荷し運転を開始するまでには、運転許可が必要。その申請書については、NAWAH社が2016年5月に発足する以前の2015年3月にENECが提出済みで、FANRが審査中となっている。
FANRは2010年2月に、同発電所のサイト許可をENECに発給した後、1、2号機の建設許可を2012年に、3、4号機の建設許可を2014年に発給した。現在、これら4基の建設工事が同時に進められている状況で、ENECのウェブサイトによると2~4号機の進捗率はそれぞれ、53%、62%、32%に到達。1~4号機まで全体の進捗率は72%となっており、4基すべての完成は2020年に予定されている。