南ア:新設計画の情報提供依頼書に「非常に良好な反応」あり
南アフリカ電力公社(ESKOM)は2月1日、原子力発電所新設計画の入札に先立ち昨年末に発出した情報提供依頼書(RFI)に非常に良好な反応があったと発表した。ESKOM社は昨年3月、南アフリカ政府の原子力発電設備新設方針に従って、東ケープ州タイスプントと西ケープ州ドイネフォンテインの2か所について、原子力施設サイト許可(NISL)を国家原子力規制局に申請。12月20日には、ベンダー選定のための調達条件などを示した提案依頼書(REF)を公表する前に、近年の原子力開発プロジェクトにおける経験やコストに関する情報、資金調達問題の解決方法、南アに対する国産化機会の提供などについて情報を求めると発表していた。これに対して、1月末までに世界中から27社が情報提供の意志があると回答してきたもので、大手ベンダーとしては中国国家核電技術公司(SNPTC)、フランス電力(EDF)、ロシアのロスアトム社、韓国電力公社(KEPCO)が含まれるとしている。
RFIへの情報提供は、将来的なREFに対して入札提案することを約束するものではないが、反応した企業数の多さからESKOM社は「南アの新設計画に対する関心の高さが伺える」とコメント。寄せられる情報によって、新設計画の実施タイミングや費用負担能力に影響する重要課題について、同社の見解が確認されることを期待すると述べた。情報提供の締め切り日は4月28日となっている。
南アの新設計画は、2010年の統合資源計画(IRP)に沿って「2030年までに960万kW分を建設」となっているが、それ以降にエネルギー部門の状況が変化したため、政府は現在、改定作業を実施中。議論の叩き台として昨年12月に公開した「2016年版IRP」の案文では、基本ケースとして原子力設備容量を2050年までに約2,000万kW分追加するとしたものの、新設初号機の運転開始時期は2037年頃に先送りされている。背景には、現行IRPで想定した経済成長が実現せず、これを下方修正したことや電力需要予測にも影響したことなどをエネルギー省は説明。建設リードタイムの長さを考慮して準備作業を継続する一方、2016年版IRPでこのまま最終決定するかは、今のところ未定だとしている。