ロシアの政府予算で同国製原子炉導入国にIAEAプログラムとして人材育成支援
ロシア政府の公式ウェブサイトによると、ロシアは2月3日付けの政府決定として、同国製原子炉が建設中あるいは導入計画が進展中の国を対象に、人材育成関係の原子力インフラ開発支援プロジェクトを国際原子力機関(IAEA)の技術協力プログラムとして実施する寄付金を連邦政府予算から拠出することになった。2017年~2019年までの「原子力発電産業振興国家プログラム」予算から、IAEAに自主的寄付を行う目標額として178万ドルを充当するほか、ロシア国内で同プロジェクトを実行する活動経費として1億950万ルーブル(約2億890万円)を支出する。2017年分の連邦予算はすでに確保済みで、2018年と2019年についても確保する計画。これにより、ロシアの原子力産業を一層発展させるとともに、世界の原子力資機材・サービス市場においてロシアの経済的影響力をさらに強化する一助としたい考えだ。
この法令案はロシア国営の総合原子力企業ロスアトム社が提出したもので、同社は実施プロジェクトにロシアが参加できるよう調整するほか、寄付金が目的に沿った使われ方をしているか監督する。ロシアはこれまでに、旧ソ連や東欧の諸国に加えて、イランやインド、中国といった国々にロシア型PWR(VVER)を供給。現時点で建設工事が進んでいる国としては、インド、中国、ベラルーシなどがある。また、トルコ、ヨルダン、アルメニア、バングラデシュ、エジプトなどの原子力発電導入計画、イラン、インド、ハンガリー等の増設計画にもVVERを供給する見通しとなっている。