ロシアで31基目の商業炉、ノボボロネジ6号機が営業運転
ロシアで民生用原子力発電所の運転を担当するロスエネルゴアトム社は2月28日、モスクワの南約500kmに位置するノボボロネジ原子力発電所で6号機(PWR、119.88万kW)(Ⅱ期工事1号機)(=写真)が27日に営業運転を開始したと発表した。同炉は、ロシア型PWR(VVER)の中でも第三世代プラスの性能を有するという120万kW級シリーズ「AES-2006」の初号機で、国内の商業炉としては31基目。同型で現在建設中の7号機(Ⅱ期工事2号機)とともに、同発電所で経年化が進んだⅠ期工事の5基を最終的にリプレースすることになる。これら5基の合計出力は242万kWで、1~3号機はすでに閉鎖済みである。ノボボロネジ6号機は2008年6月に本格着工し、2016年5月に臨界条件を初めて達成した。同年8月から送電を開始しており、これまでに16億9,100万kWhを発電。試運転中に機器やシステムの点検を異なる出力レベルと運転モードで行い、2月23日には出力100%による15日間の包括的試験を完了。設計パラメーター通り、安定的に運転する能力が確認されたとしている。また、これに続いて連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)は、同炉が設計文書や技術面での規制および法的要件を遵守していることを確認し、認証を発給していた。
発表によると、「AES-2006」設計では様々な改良が施されており、100万kWシリーズのVVERと比べて経済性能と安全性が著しく向上したほか、電気出力も20%上昇。原子炉容器や蒸気発生器といった主要機器の使用年数は、従来型VVERの公式運転期間である30年から60年に延長された。また、高度な自動化と新しい技術ソリューションの導入により、必要とする運転員数も25~30%削減。福島第一原子力発電所事故後に追加された安全要件をすべて満たしており、自然循環を利用した受動的安全システムでは、追加電力や人的介入なしで炉心の冷却が可能だと強調している。