米ホルテック社、使用済燃料集中中間貯蔵施設の建設許可を申請
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CISの完成予想図©ホルテック・インターナショナル社
放射性廃棄物法では米エネルギー省(DOE)が1998年1月から使用済燃料の引き取りを開始し、深地層に最終処分することになっていた。しかし、オバマ政権は2009年にネバダ州ユッカマウンテンにおける処分場建設計画の打ち切りを決定。多くの原子力発電事業者は自己負担で、使用済燃料を発電所敷地内に貯蔵中である。政府の有識者特別(ブルーリボン)委員会は2012年、地元の合意ベースで深地層処分場の立地を進めつつ、複数の集中中間貯蔵施設を建設することを勧告。その後2016年4月に、廃棄物処分事業会社のウェイスト・コントロール・スペシャリスツ(WCS)社が、テキサス州アンドリュース郡の自社サイトで集中中間貯蔵施設を建設・操業するための許可をNRCに申請した。同社の計画では仏アレバ社を一次請負業者とし、4万トン(重金属換算)の使用済燃料を差し当たり40年間貯蔵する方針で、早ければ2021年に施設が完成する見通しである。
今回、ホルテック社が提出した申請書一式にはCISの安全解析書と環境影響報告書が含まれており、使用済燃料の乾式キャニスターを地中のコンクリート製モジュール内で管理貯蔵するという同社製「ハイ・ストームUマックス」システムの性能や同社の専門家チームの能力などを実証する内容。同社は今年2月に、申請書提出に先立つ技術監査をNRCから受けており、申請書がNRCの指定に沿ったものになるよう微調整を行った。また、2006年にNRCから建設許可を得たものの、2012年にユタ州で頓挫した民間燃料貯蔵(PFS)社の中間貯蔵施設建設計画からも、設計基準などの申請書関連情報を参考にしたと述べた。同社の説明によると、「ハイ・ストームUマックス」の乾式貯蔵設備(ISFSI)から放射される線量は実質的にゼロであり、サイト容量が1万本のキャニスターで満杯になったとしても、線量は無視できるレベルだと強調している。