ロシアで2基目の第3世代プラス設計、レニングラードⅡ-1号機で機能試験 開始

2017年4月14日

 Ⅱ-1号機の内部©ロスエネルゴアトム社

 ロシアの民生用原子力発電公社であるロスエネルゴアトム社は4月12日、サンクトペテルブルクの西80kmに位置するレニングラード原子力発電所で、Ⅱ期工事1号機の冷態/温態機能試験を開始したと発表した。2008年に始まった同炉の建設工事が本格的な起動段階に入ったことを意味しており、すべてのシステムや機器の性能を確認した後、燃料の初装荷や臨界条件の達成といった手順を踏む計画。2018年にも営業運転を開始すると見られている。同炉および同じく建設中の2号機では、2月末に営業運転を開始したノボボロネジ原子力発電所6号機(Ⅱ期工事1号機)と同様、第3世代プラスの性能を有するという120万kW級のロシア型PWR(VVER)「AES-2006」設計を採用。これらの2基、および計画中の3、4号機により、1970年代から稼働しているⅠ期工事の4基(チェルノブイリ4号機と同じ100万kWの軽水冷却黒鉛減速炉)を順次、リプレースしていくことになる。

 ロシアのこれまでの発表によると、「AES-2006」では静的と動的、両方の安全系が組み込まれており、全電源喪失時も運転員の介入なしで炉内を冷却できるほか、水素再結合器やコア・キャッチャーも装備。格納容器はスチールで内張したプレストレスト・コンクリートと鉄筋コンクリートの二重構造で、放射性物質の漏洩を内側容器で防止する一方、外側容器により航空機の衝突や地震などの物理的防護を可能にするという。Ⅱ-1号機における72日間の機能試験では、原子炉を安全かつ持続的に運転できることを確認する。機器・システムの強度や密度を調べるため100時間以上の耐圧試験を行う予定で、具体的には化学的に脱塩した120度Cの冷却水を使って冷態試験を実施。また、温態試験では主循環ポンプ4台の点検が含まれており、温度を260度Cに上げた試験を100時間以上にわたって行うことになる。