米ハンフォード・サイトでトンネルが陥没、汚染物質の漏洩やけが人はなし
米エネルギー省(DOE)は5月9日、北西部ワシントン州リッチランド北部にあるハンフォード・サイトで汚染機器貯蔵用トンネルの一部が約20フィート(約6m)四方にわたって陥没したことを明らかにした(=写真)。同日の緊急警報発令後、DOEリッチランド事務所は午前8時26分に緊急時オペレーション・センターを起ち上げ、幹部職員が報告対応にあたっている。現在までのところ汚染物質の漏洩、およびけが人は出ていないとしている。
このトンネルは東西冷戦時代、同サイト中央部の「プルトニウム・ウラン抽出プラント(PUREX)」の東側から南方向に掘られた長さ数百フィートのトンネル2本のうちの1つである。約8フィート(約2.4m)の深さに位置しており、材質は木材とコンクリート。かつてのプルトニウム生産に使われた汚染機器が貯蔵されている。このエリアで通常の見回り点検をした際、トンネル天井部に穴があいていることが発見されたもので、PUREX周辺など最も近い場所にいた職員は汚染物質が漏洩した場合の予防的措置として直ちに屋内避難した。その後、避難の範囲を同サイトのセキュリティ境界内まで広げ、昼頃にはほとんどの職員が用心のため業務を停止。午後1時半頃には、トンネル近くにいた最後の職員が現場を離れたとしている。陥没したトンネル天井部のエリアから汚染物質は検出されていないが、幹部職員は同エリアの大気汚染状況を継続的にモニター中。同時に、どのようにトンネルの穴を修復するか、およびトンネル内の汚染機器と外部大気を遮断するバリアの設置オプションを検討中だとしている。