仏マクロン大統領、新首相に元アレバ社幹部のE.フィリップ議員 指名
フランスのE.マクロン新大統領は就任した翌日の5月15日、北西部ルアーブル市の現市長でアレバ社幹部としての経歴を持つ共和党のE.フィリップ下院議員(46)(=写真)を首相に任命した。中道系無所属として当選したマクロン大統領は社会党のオランド前政権で経済・産業・デジタル大臣を一時期務めており、前政権のエネルギー政策を踏襲することを公約。原子力発電シェアを現在の75%から2025年までに50%へ削減することを目指した「エネルギー移行法」に沿った政策を進める見通しだが、中道右派系の共和党から首相を迎えることで、左派と右派の両方から支持を得る狙いがあると見られている。フィリップ氏は、マクロン大統領と同じくフランス屈指のエリート養成校として知られるパリ政治学院(ENA)卒。2002年から2004年まで共和党の前身である国民運動連合(UMP)で幹部を務めたほか、弁護士事務所勤務を経て2007年から2010年まで原子力総合メーカーのアレバ社で広報部長を務めた。2001年から2010年までルアーブル市の副市長、2010年10月からは市長に就任していた。フィリップ氏が首相としてマクロン政権に加わることについて共和党は同日、これを遺憾とする声明文を発表した。「個人としての判断によるもの」としており、同党がマクロン大統領と連立政権を組む考えはない点を強調している。フランスでは6月11日と18日に国民議会(下院)選挙が行われる予定で、定数の577議席中、マクロン大統領の設立した新政党「前進」がどれだけ議席を獲得するか注目されている。