仏電力、アレバNP社と原子炉系統製造の専門会社設立を決定
フランス電力(EDF)の理事会は5月17日、同グループとアレバNP社のエンジニアを統合し、原子炉系統や制御システムの製造を専門とする「エドバンス社」を創設することを承認した。財政難に陥ったアレバ社についてEDFは2015年6月、原子炉機器・燃料の設計・製造部門であるアレバNP社の買収方針を公表。それ以降、フランスで始まった原子力産業界再編の一環であるとしており、EDFとアレバ社はすでに2016年7月、今回の専門会社創設構想を含めた覚書に調印していた。「発電事業者/サプライヤー・モデル」の一部となるエドバンス社を通じて、EDFは原子力発電所新設プロジェクトに対する準備・管理体制を整えるとともに、日本や中国の大企業との連携を維持しつつ新規顧客のニーズに合った一層競争力のあるフランス提案を原子炉系統の輸出案件で行っていく考えだ。
エドバンス社はフランス内外で新設される原子炉の基本設計に加えて、原子炉系統と制御システムを含むプロジェクトの関連調査や資機材調達支援、機器の組立・起動を担当することになっている。資本の8割をEDFが保有する一方、残り20%はアレバNP社が保有する予定。EDFが担っている原子力産業界のリーダー的役割を統合して今年末までに創設される。エドバンス社が発足した後、アレバNP社は1次系とその関連機器、安全関連の制御システム、計装機器および原子炉の運転サービスといった同社の基幹事業に集中することになる。EDFグループのJ.-B.レビィ会長兼CEOは、「原子炉系統の設計・建設に関する両社の専門的知見を一つ屋根の下にまとめることで、フランス原子力産業界は原子力発電所を新設する際、一層効率的に機能できる」とコメント。これにより、フランスおよび国際的な原子力市場において、さらなる競争力の強化が図られるとの認識を示した。