小型高速炉設計「PRISM」の商業化に向け、米国企業がチーム結成
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「PRISM」原子炉の概念図©GEH社
今回の発表は、様々な投資プロジェクトの管理支援インフラ提供を専門とするハイ・ブリッジ・アソシエーツ社、およびその開発子会社がチーム・リーダーとして明らかにしたもの。GEH社とエクセロン社に加えて、インフラ設備の設計・建設総合エンジニアリング企業であるエイコム社の原子力関連子会社が参加している。発表によると「PRISM」には安全性が実証済みの成熟した技術が使われているほか、アイダホ国立研究所で30年以上稼働した実験増殖炉「EBR-II」の運転経験が活かされていることから、「PRISM」は米国で先進原子炉技術の許認可から建設までの最適経路を示す先例として相応しいとハイ・ブリッジ社は強調した。GEH社も、産業界の運転経験や専門技術、技術革新におけるリーダーシップを結集することで、先進原子炉技術を商業化に導きたいと指摘。その意味で、「PRISM」の技術には先進原子炉部門を主導する用意ができており、それによって米国が原子力技術分野で主導的立場を維持するのに貢献できるとの認識を示した。
「PRISM」はまた、英国政府が保管している余剰プルトニウム112トンをリサイクルする場合の利用選択肢の1つになっており、英原子力デコミッショニング機構(NDA)が可能性を検討中。GEH社の試算によると、「PRISM」の炉寿命は少なくとも60年と見込まれ、この計画が進展すれば西カンブリア地方セラフィールドにあるプルトニウムはすべて、「PRISM」の発電用燃料として消費可能だとしている。