米サザン社、8月中にボーグル増設計画の最終判断へ
米国のサザン社は、2013年からジョージア州でウェスチングハウス(WH)社製AP1000を採用したA.W.ボーグル原子力発電所3、4号機(各PWR、110万kW)増設計画を進めているが、第2四半期の収益会議で同社のT.ファニングCEOは8月2日、「プロジェクトを進めるか否かについて他のオーナー企業3社と評価作業中であり、8月末までに州の公益事業委員会に提案を行う見通し」であることを明らかにした。同国で約30年ぶりの原子力新設計画として進展中だったプロジェクト2件のうち、サウスカロライナ州におけるV.C.サマー2、3号機(各PWR、110万kW)建設計画は、WH社による倒産申請を受けて事業者のスキャナ社らが7月31日、両機とも完成を断念する方針を発表。一方のボーグル計画では、東芝による親会社保証額が合計36億8,000万ドルにのぼるほか、連邦政府が83億3,000万ドルの融資保証を適用するなど、状況はかなり異なっている。また、サザン社の子会社を含むオーナー企業がWH社と新たに結んだ「サービス協定」により、WH社の知的財産権の使用権を含む建設サイトの管理権は7月27日付けでサザン社の原子力発電子会社に移管された。
収益会議用にサザン社が作成したプレゼン資料によると、プロジェクト全体の進捗率は今年5月現在66%で、工事を継続した場合の完成予定日は3号機が2021年2月から2022年3月の間。4号機は2022年2月から2023年3月の間となっている。また、工事継続にともなう総資本コストも計算しており、サザン社の100%子会社でプロジェクトに45.7%出資しているジョージア・パワー社の負担分は67億ドル~74億ドルと明記。ただし、すでに支払い済みの金額や、東芝による親会社保証分を差し引くと、追加で必要となる同社分の資本コストは正味10億~17億ドルに留まるとした。一方、プロジェクトを断念した場合の同社分コストについては、違約金4億ドルを含めて合計63億ドルにのぼるとしている。