中国で建設中の田湾3号機に燃料を初装荷

2017年8月23日

©CNNC

 中国核工業集団公司(CNNC)は8月21日、江蘇省の田湾原子力発電所で建設中の3号機に18日付けで燃料を初めて装荷したと発表した(=写真)。同発電所の開発はロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社が請け負っており、100万kW級のロシア型PWR(VVER)である1、2号機はすでに2007年から営業運転中。Ⅱ期工事にあたる3、4号機についても、Ⅰ期工事と同じ100万kW級VVERを採用している。燃料の初装荷により、3号機の建設工事は試運転段階に移行し、年末までに中国東部地域の送電網に接続される予定。営業運転の開始は2018年になるとしている。

 中国では福島第一原子力発電所事故直後、暫定的に原子力発電所の新規計画と建設前準備工事の審査と承認を停止していたが、2012年10月になると国務院が2020年までの「原子力発電安全計画」やエネルギー政策白書を承認。これを受けて、同年12月に田湾3号機で最初のコンクリート打設が行われたほか、翌2013年9月には4号機が着工した。燃料の初装荷に際しては、国家核安全局(NNSA)や世界原子力発電事業者協会(WANO)が事前に準備状況を立入検査。NNSAによる18日の許可発給と同時に、合計163体の燃料集合体の装荷作業が開始された。

 同発電所ではこれまでのところ、8号機まで建設する計画が公表されており、Ⅳ期工事に当たる7、8号機はこれまで通りロシアが協力して建設する予定。一方、Ⅲ期工事の5、6号機については、CNNCがフランスの技術をベースに開発した第3世代のPWR「ACP1000」が採用されており、2015年12月と2016年9月にそれぞれ、本格着工済みとなっている。