ナイジェリア、導入初号機の建設プロジェクトでロシアと協力協定

2017年11月7日

©ロスアトム社

 原子力発電の導入を計画しているナイジェリアの原子力委員会は10月30日、初号機および多目的研究炉を有する原子力研究センターの建設・操業プロジェクトについて、ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社と協力協定を締結した。
 ロスアトム社が同日付けで明らかにしたもので、両者は原子力の平和利用分野における協力ロードマップについても調印。同プロジェクトの実行可能性調査を実施する計画で、その中で候補サイトの適正調査を行うほか、開発容量や段階ごとの実施作業工程と開発スケジュール、機器リスト、資金調達計画といった主要パラメーターを確定することになる。

 ナイジェリアとロシアは、2009年に結んだ政府間協定に基づいて原子力平和利用分野の協力を開始。その後、原子力発電所と原子力研究センターの設計・建設、運転、廃止措置に関する協力についても、政府間で合意していた。今回の協定では、ナイジェリア原子力委員長とロスアトム社の国際事業部門であるルスアトム・オーバーシーズ社の副総裁が協力文書に調印。在ウィーン国際機関ナイジェリア政府常駐代表とロスアトム社総裁が立ち会った(=写真)。ロシア側の認識によると、戦略上、重要な意味を持つ大規模な原子力技術の開発プロジェクトを通じて、ナイジェリアは深刻な電力不足を解消するとともに、アフリカ大陸におけるリーダー的立場を強化できるとしている。

 1億7,000万人以上の人口を抱えるナイジェリアでは、2000年~2010年に年間経済成長率が6~11%で推移。現在では1%程度に低下したものの、エネルギー事情は非常に逼迫している。発電可能な設備容量は600~800万kWで、石油資源は2035年以降、天然ガス資源については2055年以降、国内の需要分しか産出できなくなる見通し。水力の発電能力には限界があると見ているため、将来のベースロード電源として原子力に期待している。2014年の原産年次大会で講演したナイジェリア原子力委員長(当時)は、原子力発電所建設に向けた事前サイト選定作業の結果、コギ州ゲルグ地区とアクワ・イボム州のイトゥ地区を望ましい地点に選定したことを紹介。2022年までにまず100万kW、2030年までには400万kWまで拡大する計画を明らかにしていた。