ロシアのレニングラードII-1号機とロストフ4号機、2018年に送電開始へ
ロシアで建設中のレニングラード原子力発電所2期工事1号機(117万kW、PWR)とロストフ4号機(100万kW級PWR)の作業が起動段階に入っており、2018年中にどちらも送電開始する見通しとなった。同国の原子力総合企業ロスアトム社の12月22日付け発表によると、レニングラードII-1号機で今月8日に始まった燃料集合体163体の装荷作業が17日の夕刻に完了した。近々、炉内構造物の据付を含めた原子炉の組立作業を開始する予定で、次の段階である最小制御出力(MCP)レベルへの到達を目指す。同レベルでは臨界条件の達成後、出力を1%以下に制御しながら試運転が行われることになっており、2018年初頭には顧客に電力を供給できるとしている。
サンクトペテルブルクの西方に位置するレニングラード発電所は、2002年まで国内の原子力発電所の中では唯一、原子力省直属の国有企業だった。2期工事サイトに隣接する1期工事サイトではチェルノブイリ発電所と同じRBMK(軽水冷却黒鉛減速炉)が4基(各100万kW)、現在も稼働中。2期工事として2008年と2010年に着工した1、2号機および計画中の3、4号機は、これらのリプレースという位置づけで、ロシア型PWR(VVER)の中でも第3世代+(プラス)という最新鋭の120万kW級設計「AES-2006」を採用した。
発表によると、AES-2006では従来型の100万kW級VVERと比較して、数多くの利点があり、経済性と安全性が大幅に改善された。出力が20%増強されただけでなく、運転に必要な人員数は30~40%削減可能。設計上の運転期間も従来型VVERが30年なのに対して、倍の60年を想定しており、さらに20年の延長も可能だという。AES-2006の採用炉としては、すでにノボボロネジ原子力発電所6号機(2期工事1号機)が今年2月、ロシアで31基目の商業炉として営業運転を開始。レニングラードII-1号機は、同国内で完成する2基目のAES-2006ということになる。