仏で建設中のフラマンビル3号機で冷態機能試験が完了

2018年1月11日

 フランス電力(EDF)は1月8日、同国北部シェルブールの南西で建設中のフラマンビル原子力発電所3号機(FL3)(163万kWのPWR)で冷態機能試験が6日に完了したと発表した。燃料の初装荷と起動は2015年9月に公表したロードマップどおり、今年の第4四半期末に行うとしている。
 FL3は、同国初のアレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)として、2007年12月に本格着工した。59基目の商業炉となる予定だったが、同国では2015年8月、原子力設備容量を現状レベルの6,320万kWに制限するエネルギー移行法が成立。これに基づきEDFは、第3世代の最新設計であるFL3が起動するのと同時に、国内で最も古いフェッセンハイム原子力発電所の2基(各90万kW級PWR)を閉鎖する予定である。

 総工費105億ユーロ(約1兆4,000億円)のFL3プロジェクトは、土木エンジニアリング作業の見直しや福島第一原子力発電所事故にともなう包括的安全審査、原子炉容器の鋼材組成に異常が発見されたこと等により、完成が当初予定の2012年から大幅に遅延。同炉の全システムに関する機能試験は2017年第1四半期に開始され、その一部である冷態機能試験は12月18日に始まっていた。
 EDFによると、1次系の圧力を通常運転時より高い240バール以上に設定した水密性試験は成功裏に完了。原子力安全規制当局(ASN)による監督の下、500以上の溶接箇所で点検を行ったとした。これに続く温態機能試験は今年7月に開始予定で、EDFは現在、準備作業を実施中。同試験では温度と圧力を通常運転時と同レベルに設定し、機器が正常に作動することを確認するとしている。