プーチン大統領、初併入したロストフ4号機で定格出力プロセスの開始 指示
ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社によると、ロストフ原子力発電所で2月2日に初併入した4号機(100万kW級PWR)について、V.プーチン大統領が同日の夕刻、出力を定格まで上昇させるプロセスの開始を指示した(=写真)。 黒海北部・ロストフ(旧ボルゴドンスク)州の州都を別件で訪れていたプーチン大統領は、4号機の起動に関するテレビ会議に参加し、ロスアトム社のA.リハチョフ総裁やロストフ原子力発電所のA.サルニコフ所長などから同炉の状況について報告を受けた。2017年にロシアの原子力発電所は2,000億kWhを発電しており、総発電量に対するシェアが19%に達したことから、同大統領は原子力発電部門の技術や効率性を一層高めていくよう関係者を激励した。また、ロシア原子力産業界の競争力が全世界で認められていることは非常に重要であるとの認識を表明。ロスアトム社が12か国で同様の原子力発電所建設に携わった事実に触れ、これをさらに続けることが重要だと強調した。
ロシアでは、2016年末にモスクワ南方のノボボロネジ原子力発電所で3号機が永久閉鎖された一方、2017年2月に同6号機(II期工事-1号機)が営業運転を開始しており、出力10万kWを超える商業炉は現在31基。ロストフ4号機の建設作業は、サンクトペテルブルク西方のレニングラードII期工事-1号機(117万kWのPWR)とほぼ同じ段階に来ているため、どちらかが32基目あるいは33基目の商業炉として年内に営業運転を開始する見通しだ。
ロストフ4号機は2010年6月に本格着工し、昨年12月に燃料の初装荷や炉内構造物等の据え付け作業が完了。耐圧試験などを経て1月23日に連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)が起動許可を発給していた。