米オイスタークリーク原子力発電所、今年10月に前倒し閉鎖へ

2018年2月5日

 米国のエクセロン・ジェネレーション社は2月1日、ニュージャージー(NJ)州のオイスタークリーク原子力発電所(64.1万kWのBWR)で2019年12月までに予定していた閉鎖の日程を前倒しし、今年10月で永久閉鎖する方針を公表した。同月をもって現行の運転サイクルが終了することを理由に挙げており、前倒しで生じた猶予期間中に、燃料やメンテナンス経費の管理を改善するほか、従業員の再配置先を模索するとしている。

 1969年に営業運転を開始した同発電所は、2009年に運転期間の延長申請が承認され、2029年まで合計60年間運転することが可能だった。しかし、NJ州の環境保護局(DEP)は2010年1月、冷却水が取放水されていたバーニガット湾の生態系保護のため、取放水に関する認可の更新条件として冷却塔の設置を義務付けると言明。その建設費などで7億~8億ドルかかることを勘案したエクセロン社は同年12月、州政府との合意事項として、冷却塔を建設しない代わりに同発電所を2019年で閉鎖すると決定していた。

 閉鎖に先立ち、エクセロン社は同発電所で廃止措置を行う長期的な計画について、州政府の職員や議員、関連機関、米原子力規制委員会(NRC)などと緊密に協力していく考え。同発電所の熟練従業員約500人は10月まで発電所の運転を続けるが、このうち何人かはその後の安全・確実な廃止措置に携わる予定である。