仏規制当局、フラマンビル3の配管溶接部の点検方法について査察実施

2018年4月13日

 フランス初のフラマトム社製・欧州加圧水型炉(EPR)として、2007年からフランス電力(EDF)が建設しているフラマンビル原子力発電所3号機(FL3)(PWR、163万kW)では先月、2次系の製造完了時点で発見されなかった溶接欠陥が配管で検知された。これを受けて、同国の原子力安全規制当局(ASN)は4月11日、溶接部の点検方法に関する査察を建設サイトで実施したことを明らかにした。
 その結果としてASNは、製造後の点検を実施した下請企業の組織とその作業条件が、全体的に点検の質を損なうものであったと指摘。この欠陥の調査は現在も一部について継続中だが、事業者であるEDFとフラマトム社の監督が不適切であったことも、問題の特定と改善に失敗した一因になったと述べた。この問題により、FL3の完成スケジュールと建設コストを再調整するかの判断は、追加点検やASNの許認可審査に基づいて下すことになるとEDFは発表。現在の日程では、今年の第4四半期末に燃料の初装荷を実施する予定で、総工費は中間利子を除いて105億ユーロ(約1兆3,909億円)に収めることを目指すとしている。

 EDFの10日付けリリースによると、溶接部の点検は産業界の手順に従って、同システムを製造した契約企業連合が実施しており、製造完了時には各溶接部とも基準に適合していたという。しかし、起動に先立つ規制要件の1つとして、最初の総合点検を3月21日からFL3で実施したところ、2次系配管の溶接部で「品質のバラつき」が認められたとした。このためEDFは、どの溶接部に欠陥があるか正確に把握するため、溶接部150か所で追加点検の実施を決めるとともに、品質偏差の性質と原因について報告書を作成するよう現場に指示した。それによって、安全要件を満たしていることを保証するための是正措置とその方法を特定。その上でASNに提案する考えで、すべての追加点検と報告書の作成は5月末までに完了するとの見通しを示した。
 ASNは現場での査察結果から、EDFの追加点検手順は適切だと判定する一方、同様の点検を他の系統についても実施すべきだと述べた。また、EDFが提案する是正措置については、来月に受け取る点検結果を踏まえ、規制当局としての見解を提示するとしている。ASNはさらに、2次系配管の一部である主蒸気配管でも2月22日、溶接部が破断防止のための高品質保証要件から逸脱していることがEDFから報告されていた件に触れ、同様に製造時の不備に関係していると強調。この点も、EDFが開始した点検作業全体の主要部分を占めることになると指摘している。