中国で39基目が営業運転、基数で日本と並び世界第3位
中国広核集団有限公司(CGN)は7月13日、広東省の陽江原子力発電所(=写真)で建設中だった5号機(PWR、108万kW)が、12日の午後9時頃、フル出力による連続168時間運転という営業運転開始条件をクリアしたと発表した。事業許可などの諸手続はCGNがこれから手配するが、通例通り12日が最終的に同炉の営業運転開始日に認定されると見られている。
これにより、中国の商業用原子力発電設備は39基、3,780万kWに到達しており、容量ではまだ日本より80万kWほど少ないものの、基数では日本と並んで世界第3位に躍進。中国ではこれに続いて、WH社製AP1000を採用した三門1号機(PWR、125万kW)とフラマトム社製欧州加圧水型炉(EPR)の台山1号機(PWR、175万kW)も6月末に送電開始していることから、年内にも基数・容量ともに日本の開発規模を追い抜く見通しである。
合計6基の100万kW級原子炉建設が計画されている陽江原子力発電所は、中国でも最大規模の原子力発電サイトになる予定。1~4号機には仏国のPWR技術をベースとする第2世代改良型の「CPR1000」が採用され、それぞれ2014年3月、2015年6月、2016年1月、および2017年3月から営業運転中である。
5、6号機では第3世代の技術特性を有するという「ACPR1000」が採用され、CGNはそれぞれ2013年9月と12月にこれらを本格着工した。同設計では、「CPR1000」設計に基づいて31項目の改良を安全分野で加えたとCGNは説明。特に、CGN子会社の広利核公司が独自に開発したという国産デジタル式計測制御(I&C)系を初めて装備している点を強調した。今年5月に臨界条件を達成して送電網に接続された5号機は、「ACPR1000」設計として初めて、営業運転を開始したことになる。
CGNによると、同発電所で稼働中の1~4号機は2017年だけで約300億kWhを発電。これにより、926万トンの石炭が節約され、約2,400万トンのCO2の排出を削減できたとしている。同発電所最後の1基として建設中の6号機も、2019年中に運転開始が可能になると見られている。