解体準備中のバーモント・ヤンキー発電所の使用済み燃料取り出し完了
米国エンタジー社は8月2日、2014年から解体準備中のバーモント・ヤンキー原子力発電所(BWR、65.2万kW)の使用済み燃料全てを使用済み燃料プールから発電所サイト内の乾式貯蔵施設(ISFSI)への移送を完了したと発表した。
42年にわたる運転期間に発生した使用済み燃料は、58基のキャスクに収納され、安全にISFSIに保管される。
これらの事業は、使用済み燃料管理が専門のホルテック・インターナショナル社がエンタジー社から受注し、キャスクシステム製造、ISFSIの建設、同施設への使用済み燃料移送を実施してきた。
エンタジー社は、使用済み燃料の移送は、タイムリーな廃止措置を実行し、サイトを回復させるためにも重要なマイルストーンであるとしている。
バーモント・ヤンキー原子力発電所は、1972年に営業運転を開始、1710億kWh以上の発電実績をあげ、バーモント州のおよそ3分の1の電力供給に貢献してきた。
同発電所は、2011年に米原子力規制委員会(NRC)から32年まで20年間の運転延長が認められたが、シェールガス革命や卸売り価格の低迷、単基原発であるための高コストなどを理由に閉鎖が決定、2014年12月29日に運転を終了した。閉鎖後は汚染構造物を一定期間安全に貯蔵する安全貯蔵(SAFSTOR)方法による廃止措置が適用されていた。
今後同発電所は、施設の解体およびサイトの復旧事業を専門とするノーススター社に売却され、除染と解体は2021年までに、最終的なサイトの復旧は2030年までに完了される予定となっている。この売却には、NRCおよびバーモント州公益事業委員会の承認が必要であるが、2018年末までには完了させたいとしている。