米規制委、ピーチボトムの80年運転審査申請を受け入れ

2018年8月31日

 米原子力規制委員会(NRC)は8月29日、エクセロン社が申請中のピーチボトム原子力発電所2、3号機の運転認可を更に20年延長するための審査に入ることをウェブサイトで公表した。
 エクセロン社は、すでに当初認定されている40年運転から20年延長認可を2003年5月に得ており、今回の申請が承認されると、合計運転期間は80年となり、2053年8月と2054年7月まで延長されることになる。エクセロン社は、この2基(合計出力277万kW、BWRマークⅠ型)でペンシルバニア州内の270万世帯に無炭素電力供給に貢献しているとしている。
 今年1月にはフロリダ・パワー&ライト(FPL)社所有のターキーポイント原子力発電所3、4号機が先行して80年の運転に向けた期間延長申請を提出しているので、今回は2例目となる。エクセロン社はこの2回目の運転期間延長申請を7月に提出した。
 NRCは審査の申請を受けることは、「NRCが申請を承認することを示すものではない」と、公開文の中で述べている。
 またNRCは、エクセロン社への8月27日付け文書に添付されたスケジュールによると、審査結果は2020年3月に下す見込み。NRCでは、本件に関する公聴会開催を近く連邦官報で発表する予定。
 米国の原子炉は、元々40年の運転が許可されているが、実質的に、米国で運転中の原子力発電所99基では殆ど全てが20年の運転延長申請を行っているか、申請が予定されており、すでに89基が合計60年までの運転延長が認可されている。
 なお、先行するターキーポイント発電所の80年に向けた運転期間延長審査については、NRCは5月に申請を受理しているが、未だに審査は完了していない。
 このほか、ドミニオン社もバージニア州で運転中のサリー原子力発電所1、2号機の2回目の運転期間延長の審査申請を2019年春に提出する方針をNRCに通達している。